本紹介「君たちはどう生きるか」著:吉野源三郎
「君たちはどう生きるか」について紹介します!!
【紹介】
子どもたちに向けた哲学書であり、道徳の書
とても読みやすく、学びも多い名著です!
著者「吉野源三郎」
1899年生まれ〜1981年没
児童文学者、編集者
岩波書店雑誌「世界」の初代編集長を務め、岩波少年文庫の創設にも尽力。
戦争の多い時代だったこともあり、偏狭な国粋主義ではなく、ヒューマニズムに根差し、自分の頭で考えられる子どもたちに育てたいという重いからこの本を執筆。
今でも語り継がれる名著として大人子供に影響を与えている作品です!
【ストーリー】
中学2年生のコペル君(本間潤一)が学校での出来事、叔父さんからの学びを通して、人間として成長していく物語です!
※以下少しネタバレあり
【おじさんのノートのある章それぞれからの学び】
◆1章:へんな経験
★客観的に見ることの大切さ
(ストーリー)
コペル君と叔父さんが銀座のデパートの屋上から銀座の通りを眺めて、流れゆく人々を見てコペル君がら「人間が分子みたい」という発言をしたエピソード。
(ものの見方について)
"人間はいつでも自分を中心として、ものを見たり考えたりするという性質をもっている"
コペルニクスの地動説は何百年という年月をかけて現代の当たり前になった。
人々、教会は天動説(地球が中心で太陽が周りを回っているという考え)をひっくり返す学説を認めず、地動説(地球が太陽の周りを回っている)を支持する者は投獄、本を燃やすなどの迫害を受けることとなった。
子どもの時の知識は自分を中心に考えられている。
大人になると、地動説のような考え方になってきて、広い世界を先にして色々なものごとや人を理解する。
ただ、大人になっても、人間、自分を中心に考え、判断する性質はまだまだ根深く残っている。
例:「太陽が昇る、沈む」などの言葉
(感想、学び)
人間が自分たち中心で物事を考え判断したり、一人一人でも主観的だけで物事を考え決めつけてしまうことは大人になった今でも多々あります🤔
それがエスカレートしていくと、今ではSNS炎上がまさにそうですね(⌒-⌒; )
◆2章:勇ましき友
★自分の価値観を大切にする
(ストーリー)
クラスでいじめを受けていた豆腐屋の浦川君を北見君というコペル君の友人が助けに入った姿に感動した「油揚事件」のエピソード。
(真実の経験について)
"君自身が心から感じたことや、しみじみと心を動かされたことをくれぐれも大切にしなくてはいけない。"
学校、世間でそれが立派だと言われているからと、言われたとおりに行動し、教えられたとおりに生きてゆこうとするならば、いつまでたっても一人前の人間にはなれない。
君自身が生きてみて、そこで感じた様々な思いをもとにして、はじめて立派な人々の思想や言葉の真実も理解することができる。
(感想、学び)
様々な経験をし、心が動かされたことを積み上げていくことで大切な価値観も造られてくると学びました🙂
世間や人から言われた話、本でインプットした知識はそれだけでなく、自ら経験して感じたこと、考えたことを組み合わせることにより、立派な人間に近づくと学びました!
◆3章:ニュートンの林檎と粉ミルク
★当たり前を追究するすることで見えてくる気づき
★お互いに好意を尽くすことが本当に人間らしい人間関係
(ストーリー)
コペル君が叔父さんから聞いたニュートンが落ちた林檎から万有引力を発見した話に影響され、身近な粉ミルクに関わる人について書き出したエピソード。
(人間の結びつきについて)
わかり切ったと考え、通っていることをどこまでも追いかけて考えてゆくと、もうわかり切ったなんて言っていられないようなことにぶつかる。
人間は生きていくために色々なものが必要であり、お互いに協同して働いたり、分業して働いたり、絶えずこの働きを続けてきている。そして、いつの間にか人間関係はびっしりと網の目のようにつながっている。
本当に人間らしい関係とは人間が人間同志お互いに好意をつくし、それを喜びとしていることである。
(感想、学び)
人間は網の目のようにつながっている存在だと学びました!一つの物の流れとかで辿っていっただけでも人間のつながりを感じますね!
コーヒーで考えてみると、
原産地→加工会社→運搬会社(船、トラック、飛行機)→卸売→コーヒー専門店→カフェ、喫茶店→客
まとめてみると、一部の作業は機械が代行するようになってきてはいますが、必ずそれぞれの段階では人が関わってきていることに改めて気づきますね(^^)
また、このつながりが良い関係性であればその分良いもの、サービスを生み出せる気がします!
◆4章:貧しき友
★今の環境は有難いもの
(ストーリー)
学校を休んでいた浦川君の豆腐屋にコペル君が行って、貧しさについて学んだエピソード。
(人間であるからには)
貧しくても自分をつまらない人間とは考えない。豊かな暮らしをしたからといってそれで自分を偉いと考えたりしないように自分の人間としての値打ちにしっかりと目をつけて生きてゆかなければいけない。
世の中でなんの妨げもなく勉強ができ、自分の才能を思うままに延ばしてゆけることがどんなにありがたいこたかを自覚する。
「ありがたい」めったにあることじゃない。
(感想、学び)
あるのが難しいからこその「有難い」=あることが難しいから尊いという感謝という意味で使われます。改めて意味を考えると、平和で暮らせてるのも、衣食住不自由なく生活できているのも、勉強できるのも、日本では当たり前な人が多いですが、世界で見るとそうではない。滅多にないからこそ感謝を忘れないという考え方が素晴らしいなと実感しました😊
◆5章:ナポレオンと四人の少年
(ストーリー)
お金持ちの水谷君宅に訪問して、姉のかつ子さんからナポレオンの偉業について学ぶエピソード。
(偉大な人間とはどんな人か)
人々が他人の過ちを責めたり、それを制裁する資格が自分にあると思いあがっていることが大きな過ちである。
英雄、偉人といわれている人々の中で、本当に尊敬できるのは、人類の進歩に役立った人だけである。様々な非凡な事業のち、真に値打ちがあるものはこの流れに沿って行われた事業。
(感想、学び)
英雄や偉大な人と呼ばれる人とは人類にプラスの貢献をした人というナポレオンが人生で生まれてから死ぬまで一生すべてで英雄的な行動をし、功績を残したわけではないが、
また、戦争、最先端技術などの功績は見る人によっては英雄、偉人が必ずしもそうならないということも忘れてはならないと思いました🤔
◆6章:雪の日の出来事
◆7章:石段の思い出
★人間は過ちを反省し、誤りを悔いる生き物である
(ストーリー)
上級生に目をつけられていた北見君やそれを庇った浦川君、水谷君が一緒に殴られた時に見てみぬふりをして約束を破ってしまったエピソード。
後悔の念と病気で学校を休みながら、後悔をして寝込んでいる際に叔父さん、母からの助言で勇気を出して手紙を書くエピソード。
(人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて)
僕たちは人間として生きてゆく途中で、子供は子供なりにまた大人は大人なりにいろいろ悲しいことや、つらいことや、苦しいことに出会う。
しかし、こうして悲しいことやつらいことや苦しいことに出会うおかげで、僕たちは本来人間がどういうものであるかということを知る。
身体の苦痛→身体が正常な状態でないということを苦痛が知られてくれる。
人間が憎しみあったり、敵対しあったりしなければいられないからこそそのことを不幸を感じたり、そのために苦しむ。
悔恨の思いに打たれるというのは自分はそうでなく行動することもできたのにと考える能力が自分にあったからこそ生じる。
自分の過ちを認めることはつらい。しかし過ちをつらく感じるということの中に人間の立派さもある。
"僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。だから誤りを犯すこともある。
しかし、僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。
だから、誤りから立ち直ることもできるのだ。"
(感想、学び)
自らがやってしまった過ちを気にして病むということは自分にもあった経験なので、心苦しくなりましたが、過ちを抱えたまま先延ばしにするのではなく、心の内を打ち明けて謝る大切さというのもを学びました!
そして、このような悲しい、つらい経験があるからこそ、人間として大切なことを自覚し、立派な人間として生きていけるのだと思いました(^^)!
「ありがとう」や「ごめんなさい」が心から言える人間として生きれるように意識したいと思えました⭐️